間もなく7月7日の七夕です。
七夕と言えば織姫と彦星が、天の川を渡って逢うことを許された一年で唯一の日。
夜空を見上げて星に願う、なんともロマンティックな行事です。
この季節、茶席によく掛けられる掛軸で
『銀河落九天』という語句があります。
元となるのは「望廬山瀑布(ろざんのばくふをのぞむ)」という中国・李白の詩。
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日照香炉生紫煙【日は香炉を照らして紫煙(しえん)を生ず】
遥看瀑布挂前川【遥かに看る瀑布の前川(ぜんせん)に挂かるを】
飛流直下三千尺【飛流直下(ひりゅうちょっか) 三千尺(さんぜんじゃく)】
疑是銀河落九天【疑うらくは是れ 銀河の九天(きゅうてん)より落つるかと】
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瀑布とは瀧の事です。
太陽が香炉峰を照らして紫の霧が生じ、
遥か遠くに見える川の向こうには滝がかかっている。
まっすぐ流れおちるその高さは三千尺にもなる。
まるで天の川が天の一番高いところから流れ落ちているようだ。
とても高いところから、迫力のある滝が音をたてて落ちている様子が目に浮かびますね。
三千丈というと約900メートルになります。
東京スカイツリーが634メートルですので、本当に瀧が三千尺なわけでなく、とても高いところから落ちていることを表す比喩表現でしょう。
ちなみに日本で一番落差の大きい瀧は富山県立山町にある「ハンノキ滝」で、高さは500メートルにもなります。
ぜひ身近にその迫力を感じたい!!
…のですが、こちらの瀧は雪解けの頃にしかみられない、期間限定の幻の瀧だそうです。
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さて話を戻しましょう。
七夕の頃は梅雨時のため、7月7日は毎年なかなか晴れた夜空になりません。
今年も東京は、曇りか雨の予報で、星空を眺めるのは難しそうです。
雲の上でも、織姫と彦星が無事に逢えることを願いましょうか…